#165 イラストレーター、絵描き 宮地 兵庫

高いクオリティで保存できる大容量に小ささも軽さも最高です。大人っぽいレッドもお気に入り

第165回目の@Professional Usersはイラストレーター、絵描きの宮地 兵庫(みやち ひょうご)さん。生まれ故郷の札幌にて絵の道を志し、そのままロンドン、そしてパリへと渡り、その後初めて上京し今では人気のイラストレーターとしてタワーレコードのポスターやグッズデザイン、挿絵等でグローバルに活躍をしています。そんな宮地さんがご自身のクリエイティブでバッファローのポータブルハードディスク、ミニステーション HD-PUS2.0U3-RCを使用とのこと。早速LAVAが東京、恵比寿にある宮地さんのご自宅兼アトリエに訪れお話を伺いました。

プロクリエイターが選んだ商品

ポータブルハードディスク Mini Station

Creator's Profile

宮地 兵庫(みやち ひょうご)

1978

札幌生まれ

1994-1999

札幌大谷美術科にて学ぶ

2000

渡英 ロンドンにて語学と映画制作を学びながら絵画の創作を続ける

2003

Diploma Time-Based Media(Film, Video & Digital Media)取得

2004

渡仏 パリ在住 画家の友人と共にパリ中の美術館を巡る

2005

帰国後、東京札幌にて制作活動

Interview

8歳からプライベートレッスンで絵を勉強してルソーの模写をしていました

——イラストレーターで絵描きの宮地 兵庫さんです。宮地さんがイラストレーターになっていった経緯を教えてください。

私が幼稚園に上がるか上がらないかの時に母が絵画教室に連れていってくれました。父は広告代理店に勤めていて営業もやりながらコピーライターをしていました。父もアートが好きで少しユニークな人でした。私に美術に関心を持たせようとして子供部屋に飾る絵を週ごと変えるんです。先週はピカソだったけど今週はミロ、来週はシャガール、といった具合で。

——いいな、その家。

父はピカソがどれだけ天才かを小さな私に話していました。ピカソのデッサン力の素晴らしさを真剣に私に伝えてきます。その当時私が口ずさんでいた歌も父が教えてくれたジャズのアート・ブレイキー。

——普通子供にはゾウさんとかですよね。

そうなんですよ。そんな変わった父とお稽古を習わせてくれた母に囲まれ札幌で暮らしていました。ある時通っていた絵画教室が閉校した時に母が直接先生のところに行って週に一度家庭教師で娘に絵を教えてくださいと頼んでくれたんです。なので私は8歳からプライベートレッスンで絵を勉強して、8歳でルソーの模写、10歳で油絵を描いていました。

——普通8歳でルソーは描かないですね。恐ろしい子供です。それで?

中学2年生から美大に進むためのゼミに通い、無事に札幌市内の美術科のある高校に入学することができました。そこは完全なるスパルタ学校でした。毎日毎日美術漬けです。デッサン、デザイン、美術史、立体造形、水彩、油彩、一通りを3年間でみっちり学びました。その後は同じ学校の短大に進み2年間、油彩コースで勉強をしました。

——ロンドンに行ったのはいつ頃ですか?

はい、私が23歳の時です。

——おっ、僕も23歳の時に初めてロンドンに行きました。

同じですね。短大の勉強だけでは飽き足らず、ロンドンには3年間留学し、語学とショートフィルム制作を勉強しました。

——絵ではないんですね?

実は短大を卒業する時に美術はやめる決意をしていたんです。当時私は映画を死ぬほど観ていて、ストーリーのあるものに興味を持ちだしたんです。それに絵は毎日描いていて完全に飽きていました。なので映像の世界に行こうと思っていたんです。それとこれからは英語の勉強も必要と思ったのと、やはりイギリスに興味もあったというのもあり23歳で渡英しました。

パリで出会った絵の師匠に「とにかく絵を描くことを生活のメインにしなさい」と教えられました

——絵と映像ではやはり学ぶことも違いますね?

はい。学校でびっちり学んだんですが結構早い段階で私は映像に向いていないと気づいてしまいました。

——それはどうして?

自分が信じているものを作るにはそれを突き通すのが本来のクリエイターの姿ですが、映像は絵と違い周りに人がいます。一緒に作る人がいます。その人たちと制作を共にしていると自分の意思を貫けないことに気づいたんです。主張ができないのでバトルができないんです。絵だと戦う相手はキャンバスだけです。そっちの方がやはりいいと思えたんです。でも学校では映像のための絵コンテを私が担当していたんですが、みんなそれをとても褒めてくれました。先生も「これは強みだから絵は絶対に続けたほうがいい」と言ってくれました。

——その後パリに行きますね?

はい、あることがきっかけでパリに1年半行きました。そこではパリ中の美術館をめぐり回りました。パリでは自分の絵の師匠ともいえる人との出会いもあり、毎日が個人レッスンのような日々でしたね。ルーブル美術館やオルセー美術館に行くにもその人といると顔パス。なかなかすごい方だったんです。「美術は絶対にやめちゃいけない。毎日描きなさい」というのが彼の口癖でした。ペンは必ず持ってカフェに行ってもテーブルの紙に描き、レシートをもらったらその裏に描く。とにかく描くことを生活のメインにしなさいとずっと言ってくれた人でした。その影響もあり自分の作品では封筒にも絵を描くようになりました。

——その作品、好きですよ。

ありがとうございます。パリに行ったことで絵を描く行為がより生活の一部になりました。ロンドンを経てパリに行けたのがよかったのかもしれません。逆だったら今の自分がいるかどうかもわかりませんね。

——そしてようやく上京ですね。

はい、28歳で初めて東京に来ました。小説を書いていた時期なんかもあるんですが、やはり私は絵だなと思い今ではイラストレーターとしてポスターやグッズデザイン、挿絵を描いています。絵描きとしても個展やライブペインティング、あとは壁画も手がけます。

——宮地さんの絵の特徴を教えてください。

動物画も描きますが主に人物画を描いています。私は人の目や鼻に魅かれます。そして一貫していえるのは肌の色を塗りません。肌色に興味がないのか人種の色に興味がないのかわかりませんが、肌の色を塗ったことがありません。これが特徴ですね。あとは人が醜いと思うものもちゃんと描くようにします。ほうれい線やシワ、シミ、そばかす、それを美しいと思っているんですね。

昔から詩や言葉、数式にも興味があり、それを絵に取り込んで新しい作品を作りたいです

——宮地さんの絵が完成するまでのプロセスをなにか発表した作品をモチーフに話してください。

ではタワーレコードのポスターを手がけた時のお話をしますね。私のホームページを見たタワーレコードの方が気にいってくれて連絡をくれました。タワーの札幌店と秋葉原店の大々的なリニューアルのためのポスター制作を依頼されました。札幌店に関してはタワーの入っているファッションビルの表にも展示されることになり、それはかなり大きなサイズのものでしたね。もちろん店内にも展示されるとのことでした。秋葉原の方はマイルス・デイビス、ボブ・マーリー、ジェームス・ブラウン、ジョン・レノン、あとは2PAC、この5人を描いてくださいという依頼でした。

——ものすごいメンツです。

描けるだけでも光栄ですよね。でもほぼダメは出なく、ボブ・マーリーの髪のボリュームに関してだけもうちょっと多くと追加が出ました(笑)。札幌店に関しては3枚を描いて納品しました。“TOWER RECORDS”という文字をどこかに入れて欲しいというリクエストもあったので、CDや商品を入れる袋を持ったお客様とTOWER RECORDSと書いてあるエプロンを着ているスタッフも描きました。もともと私の絵を好きな方からの依頼だったのでなんの制限もなく、自分の表現を前に出し好きにやらせていただきました。素材は画用紙にボールペンと水彩絵の具とパステルを使いました。TOWER RECORDSの文字は一部コラージュしています。

——これから手がけていきたい作品はありますか?

昔から詩や言葉、数式にも興味があります。それを絵に取り込んでみたいです。髪の毛の部分が全部数式だったり、まったく新しいスタイルを取り込んでみたいです。

——楽しみにしています。ではパソコンの話をしましょう。使用しているパソコンとソフトを教えてください。

Macのノートパソコンとソフトはイラストレーターとフォトショップです。パソコンは一緒に作業をするデザイナーとのやりとりに使うことが多いですね。私のデザインした絵文字や絵が商品化されるときは必ず周りのデザイナーとやりとりをするので、その際にパソコンがかなりの頻度で使われます。

——宮地さんがお使いのバッファローのポータブルハードディスク、ミニステーション HD-PUS2.0U3-RCについてお聞かせください。

以前詩をたくさん書いていた時代に、それをすべてバックアップを取らずに書いていたら飼っていた猫がパソコンに飛び乗ってパソコンが壊れたんです。本当にたくさんの詩を書いていたんですが全部消えました。膝から崩れ落ちるほどの大ショックでした。このショックと恐怖心から今では作ったものは常にバックアップをハードディスクにとるようにしています。あとは私の制作過程で、例えば顔の輪郭を描いて目を描く前に何度か目を入れる前の輪郭に戻るんです。輪郭を何度かチェックしてから目を描きます。そして今度は鼻を描き入れる時もその前の輪郭と目だけの状態に戻ります。描きながら常に前の状態に戻っていきます。なので描き入れたらバックアップというのが習慣になっています。そうすることで自ずとデータ量が増え、大容量のハードディスクが必要になってくるんです。絵のデータも大きなサイズで取り込みたいですし、そのクオリティーはデジタルになっても描いたままの状態にしておきたいです。描いたアナログの絵は近寄ってもにじみませんが、軽いデータで作品をデジタルに取り込むと画像がぼやけにじみます。それは画家としてはできませんね。なのでサイズや容量は大事なので、現在使っているこのHD-PUS2.0U3-RCは2TBあり、まだまだ十分に使える容量が残っています。それでいてこの小ささ、軽さ、最高ですね。色も気にいっているんです。この大人っぽいレッドが女性の私にもフィットしている感じがします。お洒落です。私はあまり今までハードディスクを持ち歩くようなタイプではなかったんですが、これなら逆に持ち出したくなります。最近デザイナーの事務所にこのポータブルハードディスクを持っていって次の個展のDMを作ったり作品に文字を入れてもらったりしていますが、「お、このハードディスクいいね」なんてデザイナーたちに褒められると嬉しくなります。なんかそんな用事がなくても持って出たくなります(笑)。気にいっています。

——これからも宮地作品を大事にストックしていくアイテムとして是非ご活用ください。では最後に宮地さんのようなイラストレーター、絵描きを目指している人たちにメッセージをお願いします。

この仕事は長期戦です。すぐには結果の出ない世界なので慌てず焦らず、そのプロセスを楽しみながら描き続けてください。

——今日はどうもありがとうございました。

Interview Photos

宮地さんのイラストです。まずはインタビューにもあったタワーレコード関係の作品たちです。

「わたしが一番気に入ってる一枚 映画監督ロバート・アルトマンを描いたイラストです。」

「わたしのイラストでスマホケースを販売しています。」

こちらが宮地さんご使用のバッファローのポータブルハードディスク、ミニステーション HD-PUS2.0U3-RCは2TBです。まさかの猫のダイブによりパソコンが壊れデータのバックアップの重要性を知った宮地さん。「現在使っているこのバッファローのポータブルハードディスクは2TBあり、それでいてこの小ささ、軽さ、最高ですね。色も気にいっているんです。この大人っぽいレッドが女性の私にもフィットしている感じがします。」とお気に入りのご様子。それと描いてはバックアップ、描いてはバックアップを繰り返すことで宮地アートはさらなる輝きを増していくんですね。

部屋中に自身の作品が飾られている素敵なアトリエで作業をする宮地さん。話してくれた数式を使った新しいアプローチのアート作品、かなり出来上がりが楽しみです。

前回の個展で初めて宮地作品に触れましたが、印象としてはとてもポップ。LINEの絵文字や雑貨に使われるのがわかります。アートに興味のない人たちもちゃんと巻き込める作品が多いんですよね。やはりそれはインタビューで聞いてわかりましたが若い時からの基礎勉強がしっかりとあったからなんですよね。そこから個性へと繋がっていき、様々な人たちに触れていく。アートをより身近に導いてくれる絵描きのひとりだと思っています。

Creator's Favorite Foods

宮地 兵庫の好きな料理“この一品!”「dotのWeekend Special BRUNCH PLATE」

宮地さん曰く、「マスカルポーネとタイムのスクランブルエッグ、北海道産ソーセージ&チョリソー、季節のサラダ、フレンチフライ、トースト、スムージーがつく近所にあるdotの最高のブランチプレート。テラスもあるのでこの季節には昼も夜も来るんです。北海道出身の私にとっては最高に美味しい北海道産のソーセージがつくのが本当に嬉しいんです。」

今回登場した商品

ポータブルハードディスク Mini Station

本商品は、Macユーザー向けポータブルHDDです。出荷時よりMac OS X標準ファイルシステム「OS X拡張」(HFS+)にフォーマットされており、付属のUSBケーブルを使用すれば、すぐにMac環境でお使いいただけます。また「Time Machine」に対応し、データバックアップ用ドライブとしても使用可能。薄さわずか8.8mmのアルマイト加工を施したアルミニウム製筐体で、ノートPCと一緒にPCバッグに入れてもかさばらず持ち運びに便利。電源はUSBバスパワー駆動に対応し、ACアダプター不要で本体とケーブルだけで使えます。「ターボPC EX2」「バックアップユーティリティー」「ディスクフォーマッター2」「SecureLock Mobile」の各ソフトウェアが添付しています。