USBメモリを一方的に禁止するより、安全な商品と環境を提供。セキュリティー、使い勝手、運用性でバッファローを選択

越前市教育委員会 様

今回お伺いした福井県越前市は、「源氏物語千年」記念事業でいま脚光を浴びており、「源氏物語」の作者 紫式部が、若い頃を過ごした土地でもあります。

さて、USBメモリーは情報漏洩の危険性が大きいとして、使用を禁止している企業や団体が多くあります。反面、禁止としていても、隠れて利用するケースが多いのも事実。そこで、越前市教育委員会では、USBメモリーの使用を一方的に禁止するのではなく、実際の業務運用にあわせた対策をとることにしました。そこで採用されたのが、自動暗号化によるセキュリティー、優れた操作性、ヘルプデスクによる運用性などから、バッファロー 全自動暗号化機能搭載セキュリティーUSBメモリー「RUF2-HSC1GW」でした。

詳しいお話を伺いに越前市教育委員会を訪問し、セキュリティーについての考え方や具体的な施策についてお聞きしました。

Point

USBメモリーの使用を一方的に禁止しない

USBメモリーの利便性を考慮して、セキュアな商品と環境を提供

セキュリティ、使い勝手、運用性から各社USBメモリーを検証

現状で最も理想的な商品としてバッファローを選択し、市内小中学校に推奨品として斡旋

自動的に高度な暗号化が行われて、パスワードを知らない人間は中身を確認不能

集中管理やパソコン側に専用ソフトのインストールが不要など、優れた運用性も認められる

導入商品

セキュリティーUSBメモリー

システム管理者向けUSBメモリー
設定管理設定ソフトウェア

生活に溶け込むICTの推進

越前市教育委員会ではどのようなICT教育を進めていますか?

特に他の地域と比べて突出した活動をしているわけでわけではありませんが、考え方としては、単に“モノを導入すること“を目的とした活動はしていません。授業や学校生活に役立つかどうか検討した上で、ICTを導入しています。

具体的にはどのようなことでしょうか。

例えば、市内の中学校で利用されている「スクールランチ」。生徒の発注から業者の給食受け渡しまで給食業務の運用の仕組みの中にICTを組込み、現在はICTツールを特に意識することなく、当たり前に利用されています。
また、学校と保護者を結ぶ緊急メールシステムを構築しました。事件や事故につながりかねない、地域に危険な状況が起こった際に、登録された保護者に一斉にメールが送信されます。
このように、パソコンを何台入れたとか、ネットワークを構築したとか、”モノ”を揃える導入ではなく、実際の業務運用と有機的に結びつけ、生活の中に溶け込ませてICTツールを活用しています。

全市をあげた子どもの情報を守る取組み

セキュリティーへの取り組みはいかがでしょうか?

以前は、現場の運用にまかせていましたが、2007年に教育の情報化のためのコンピューター整備事業を行い、セキュリティー上でリスクが高いと考えられた、私有パソコンの持ち込みを禁止しました。

持ち込みパソコンの禁止は抵抗ありませんでしたか?

もちろん一方的に禁止したわけではありません。代わりに、教職員に1人1台のパソコンを支給しました。また以前から、講習会を開催するなどして、越前市の教職員のセキュリティー意識が高い事もあり、抵抗というものはありませんでした。

それまで使っていた私有パソコンを先生方が自主的に持ち寄り、ハードディスクのデータを完全に消去する取組みとして「リストア作業会」も実施しました。パソコンを初期化してデータを完全に削除したり、ハードディスクを取り外して穴を空けるなど、パソコン自体を壊して破棄してしまった先生も多くおられます。
いずれも、教育委員会、学校及び市長部局情報担当課が協力して実施してきました。

USBメモリーの安全な使い方を検討

USBメモリーに関してはいかがですか?

USBメモリーは情報の移動媒体として、大変便利です。ただ、手軽さから、情報漏えいの危険性があります。そこで持ち込みパソコンに続いて、急務となるのはUSBメモリーの使い方だと考え、対策を急ぎました。

どのような対策をとられましたか?

一方的に禁止するのが最も簡単です。パソコンは教育委員会から配布しているわけですから、USBポートを利用できなくすることも技術的に可能です。しかし、実際には業務の一環として、USBメモリーを利用することがあると想定しています。
そこで、業務上の、データの校外持ち出しに対して、いかに安全な環境を提供するかを検討しました。

USBメモリーに期待する条件

安全な環境を提供するとは……

セキュリティーUSBメモリーについて、一番の問題は、セキュリティー機能があっても、利用者に使われないことです。USBメモリーの利便性は分かっていたので、以前からUSBメモリーの安全性と運用性に特に注目してきました。新しい商品が出る度にチェックして、セキュアかどうか、使いやすさはどうかなどを検証してきました。
特に運用面で、使い勝手が悪かったり、パスワードを忘れた場合に中のデータが取り出せなくなったりした場合、USBメモリーのセキュリティー機能は利用されなくなります。

希望するUSBメモリーの条件はどのようなものでしたか?

1つ目は、セキュリティー強度が高い事です。自動的に暗号化するなど、万一紛失した際にも情報漏えいを防ぐことが望ましいと考えました。
2つ目は、使い勝手が良い事です。セキュリティーのために利用者が行う操作が増えたり煩雑だったりすると、セキュリティー機能は利用されなくなります。
3つ目は、運用が容易な事です。USBメモリーを利用するパソコンに特殊なソフトのインストールが不要であることや、ユーザ権限での利用が可能なこと。また、利用者と管理者を分けて、パスワード忘れに対して利用者に安心感を持ってもらうのと同時に、実際に忘れた場合に、どこかにUSBメモリーを郵送するなどの手間が発生しない事が必要です。

3つの条件をクリアしたバッファローのセキュリティUSBメモリー

今回のUSBメモリーがこれら3つの条件をクリアしたのですか?

そのとおりです。やっと私どもが理想とする、USBメモリーに出会うことができました。
自動暗号化USBメモリーは多いのですが、このUSBメモリーは運用面でも優れています。パソコン側に専用ソフトウェアのインストールが不要で、配布したらすぐに利用することができます。

運用の負荷が軽減されるわけですね。

初期設定して配布するなど集中管理も可能です。越前市では数回パスワードを間違うと、ロックされる仕様にしています。これは配布しているパソコンも同じです。管理ソフト(SecureLock Manager)も使い勝手がよく、集中管理に適しています。
USBメモリーのパスワードを数回間違えてパスワード入力ができなくなっても、ヘルプデスクに電話することで、ロック解除用の番号を学校経由で連絡できるようにしています。このロック解除番号を入力することで、現場でパスワードのロックを解除できるという機能は大変評価しています。また、パスワードがわからなくなってしまったとしても、ヘルプデスクでパスワードのみ初期化するということができます。このUSBメモリーは、パスワードを入力ミスしても強制初期化せずに済み、保存データがそのままで、また利用できるので、先生方に安心して勧めることができます。
いろいろな商品を評価してきましたが、このようにセキュリティーと使い勝手の良さを両立しているUSBメモリーを他に私は知りません。

セキュリティUSBメモリーを小中学校に斡旋

そこで、このUSBメモリーを標準指定品として市内小中学校に斡旋したわけですか?

もちろん現場の小中学校に受け入れられることが、最も重要です。そこで、既存のヘルプデスクを窓口とし、セキュリティーUSBメモリーをツールとして組み込んだ使いやすい仕組みを提案しました。

どのような斡旋方法をしたのでしょうか?

平成19(2007)年度末に、学校関係者を集めてUSBメモリーの危険性とその対策としてセキュリティーUSBメモリーを利用した運用の仕組みを提案し、共同購入を勧めました。
その結果、学校関係者のセキュリティーに関する意識にも変化がありました。これまで、何となく曖昧にしてきたり、「USBメモリーは使ってはいけない」と言うだけだったことを、今では、業務環境として整備することによって、情報を組織的に管理し、漏洩のリスクを低減する体制をとることが必要であると言う考え方に変わってきています。そういう点でも、このセキュリティUSBメモリーの存在は大きかったと考えています。
そして、多くの学校が呼びかけに応じて、それぞれの学校で、業務上必要とする本数を購入していただきました。
使い方は基本的には現場の小中学校にまかせています。ある小学校ではUSBメモリーを移動媒体としてではなく、機密情報専門の外付けハードディスクとして活用している例もあります。

機密情報専門の外付けハードディスクとはどういう感じでしょうか?

ある小学校での使い方ですが…。
セキュリティーUSBメモリーを安全確実な外付けハードディスクとして使っています。
機密情報はサーバーに保存していますが、保存できないときにはパソコン内のハードディスクではなく、USBメモリーに保存しており、いわばUSBメモリーは機密情報の金庫代わりに使っています。
このUSBメモリー商品はコストの面からも大変魅力的で、小中学校には大変喜んでいただきました。この様な共同購入の斡旋は今後も続けていくつもりです。


取材にご協力いただきありがとうございました。USBメモリーについて、一方的に禁止するのではなく、業務に役立つ“ツール”として積極的に位置づけて安全な商品と環境を提供する。そのような考え方を持つ、越前市教育委員会の姿勢が大変よくわかりました。多くの団体や企業でも、このような考えが主流になっていくと思われます。今後のご活躍をお祈りしています。


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